とうとうMicrosoftがドル箱商品Officeのクラウド製品「Office365」の価格を月額9.99ドルから月額6.99ドルにぐっと安く下げてきました。
その背景を3つのポイントでまとめてみます。
Googleドライブの台頭
私は3年くらい前にGoogleドライブで文書やスプレッドシートを初めて使いましたが、最初の印象は「全く使えない」ツールでした。
ところが2013年はじめ頃から急激な進化をしていて、今では社内文書のほとんどをGoogleドライブを利用しています。
スプレッドシートでショートカットキーが使える
一番驚いたのは、Webアプリケーションであるにも関わらず「ショートカットキー」が使えるようになったことです。
エクセルの場合、「Shift+Ctrl+矢印キー」で文字が入力されているセルを全選択する操作がとても多いのですが、これがGoogleドライブでできるようになったことは本当に嬉しかったです。
さらに「条件付き書式」も使えるようになったので、ガントチャートの作成なども簡単になりました。
世代管理ができる
Googleドライブの最大のメリットは世代管理(バージョン管理)ができることだと思います。
「いつ」「誰が」「どのように」その文書を編集したのか把握でき、しかも過去の版に戻せるという機能は今までどんなツールでも難しいものでした。
10年くらい前の文書管理システムは、導入するのに1000万円くらい必要でしたが、Googleドライブで無料提供される「版管理機能」よりも圧倒的に貧弱でした。。
これは企業の情報共有のあり方を変える大きな変化です。
タブレット普及によるパソコン離れ
2013年全世界で販売されたタブレット端末の台数は約2億台ということです。
出典:Techcrunch 2013年のタブレット販売台数は1億9500万台
一方、パソコンの販売台数は7四半期(2年弱)連続で減少している状況。
出典:CNET Japan 世界PC出荷台数、7四半期連続で減少--第4四半期調査
「タブレットで十分」という層が増えているのは間違いないですね。
パソコンバンドル製品が売れなくなる
パソコンの出荷台数が鈍化すると、パソコンと一緒に最初から入っている「Office」が売れなくなることになります
バンドル製品は単体でOfficeを購入するよりもかなり安く手に入るため、パソコンを購入するときは1万5千円くらい高くともOfficeバンドル製品を選択する方が多いですが、そもそもパソコンが売れなければどうしようもないですね。
タブレットとGoogleドライブで十分
Googleドライブが進化の速度を速めているのは、タブレットの世界出荷台数の伸びが急上昇していることと関係があると考えられます。
タブレットでわざわざマイクロソフトのOffice製品を使う必要はなく、タブレットと親和性の高いGoogleドライブを利用するユーザーが加速しています。
タブレットでGoogleドライブを使い込めば、途中まで編集したファイルをパソコンでも続けて編集できるので、自然とGoogleドライブで資料を作るようになるはずです。
PDFの進化
最後に意外と忘れてならないことが「文書フォーマットの共通化」です。
5年位前は、「パワーポイントファイル」をメールでやりとりすることが多く、パワーポイントを持っていないと仕事がスムーズに進まないこともありました。
今はプレゼンテーションツールに「パワーポイント」「keynote」Googleドライブの「プレゼンテーション」どれを使ってもPDFで出力することができます。
PDFはタブレットでもスマホでも、もちろんPCでも見れるので共通フォーマットになりました。
ビジネス上でファイルのやりとりをする場合はPDF化するのがマナーのため、別にどんなアプリケーションで資料を作っても問題ない状態になっています。
まとめ
Googleドライブの進化はすさまじいです。
無料でここまでの商品を提供されたら、流石のマイクロソフトも大きく方針転換しなければならないでしょう。
近い将来、個人利用であればOffice製品が無償化されるかもしれません。