サイコンの選び方を「sakurakasane」さんにブログコメントでご相談いただいたので回答記事です。
ポイントは「ロードバイクに乗り始めたばかり」「1年後にはタイムトライアルレースに出る予定」という2点。
ピンポイントな情報なので万人向けの内容ではありませんが、サイコン選びで悩んでいたら何かしらのヒントにはなるかも?
タイムトライアルレースに必要なサイコンの機能
パワーメーターと連携できる
タイムトライアルレースで一番大事になるのはペーシング。
小学校のマラソン大会で最初に飛ばし過ぎた奴が、500mくらいで失速してしまうのはペーシング失敗例。
ロードバイクは出せるパワーを「パワーメーター」で客観的にリアルタイムで把握することができます。
思い出つくりでタイムトライアルレースに出るならもちろん必要ないですが、「いつかは入賞したい」「ちょっとでも速くなりたい」と思うならほぼ必須となる機材。
※入門用ロードバイク完成車くらいのお金が必要ですが、、
なので、サイコンはパワーメーターと連携できることが必須。
2014年6月現在では、ほとんどのパワーメーターが「Ant+」という通信規格でデータをサイコンに送っています。
サイコンを選ぶときは「Ant+」に対応しているかどうかが第一条件。
ログデータが残せる機能
ロードレースは駆け引きが重要なので数値だけで見えない部分がありますが、タイムトライアルは純粋に自分との戦い。
そのため、タイムトライアルレースで結果を残せるようになるには、日々のトレーニングデータを元にポジションやペダリングを改善する必要あり。
サイコンのログデータをパソコンに保存することができれば、トレーニングで同じ往復コースを走っていた場合「向かい風が強いとケイデンスが下がり最後までスタミナがもたない」などの分析をすることが可能。
パワーメーターのデータもあれば、ポジションを煮詰めるための重要なデータにも。
タイムトライアルだけでなく、レースに出る予定があるならログデータが残せるサイコンはあった方がいいです。
非常にオススメなサイコン ガーミンエッジ500(もしくは510)
おそらくいちばん普及してるサイコン
ロードバイクレースに出ている人の半数くらいはガーミンのエッジ500か510を利用しています。 ※私の個人的な調査
多くの方が使っているので、困ったことがあってもGoogleやYahooで検索すればなんでも情報が出てきます。
普及しているサイコンを使うメリットは情報が豊富にある、という点ですね。
手頃な価格
ガーミンエッジ500は心拍計とセンサー含めても3万3千円以下で購入可能。
液晶画面は白黒で派手さはありませんが、実際に使っていて不満点はほとんどないです。
上記のガーミンエッジ510は心拍計とセンサー含めたフルセットが45000円くらい。
エッジ500と比較すると液晶画面が大きくなりカラー化している、スマホと連携してログデータを自動アップする機能などバージョンアップしています。
ただ、タイムトライアルレースを目標にした場合は空気抵抗を少しでも減らしたい所なので、あえてバージョンアップ前のエッジ500を選択しても良いかも。
スピードセンサーがなくてもOK
意外と面倒なのがホイール毎にスピードセンサー用のマグネットを取り外しすること。
エッジシリーズはGPSで速度を出すこともできるのでスピードセンサーが必須ではありません。
タイムトライアルでは厳密に速度計測する必要があるかもしれませんが、「マグネット付け替え忘れてスピードが取れなかった!」という事態を防ぐことができますね。
場合によってはオススメなサイコン パイオニアペダリングモニター用サイコン
唯一のペダリングモニター
「パイオニアのパワーメーターSGY-PM910Hが凄い!」で書きましたが、パイオニアのペダリングモニターは世界唯一の機能をもったペダリング解析装置です。
普通のパワーメーターはよくても左右のパワーバランスを可視化する程度ですが、パイオニアのパワーメーターはペダリングを1回転させる間に12箇所でパワーを計測し可視化する世界唯一の商用ペダリング解析装置です。
タイムトライアルは他人との戦いではなく果てしない効率との戦い。
ペダリングの最適化をつきつめることができるペダリングモニターは大きな力になってくれるはず。
金額は2014年6月22日時点で定価129,600円
サイコンはパイオニアパワーメーターとセットで手に入れたい
リアルタイムでペダリング効率を把握できるのが特徴ですが、パイオニアのパワーメーターがなければ、ただの大きめなサイコン。
Ant+のセンサーデータを受信できるのでサイコンとしても使えますが、ガーミンエッジ500シリーズと違いGPSは内蔵しておらず。
通常はパイオニアのペダリングモニターとセット購入する商品でネット通販などでは流通しておあらず、ロードバイク専門店で購入する必要あり。
2014年6月22日現在の定価29,800円
すこしオススメなサイコン サイクルオプスJoule
パワータップ特化型
ガーミンのエッジ500を購入した2013年6月までは、サイクルオプスのJouleという画像のサイコンを使っていました。
かなりマニアックなサイコン。レース会場で一度だけ利用者を見た以外に周囲で使っている人を見たことがありません。
ちなみに、今販売されているのはJouleGPSかJoule1.0という商品。
JouleGPSはGPSが内蔵されガーミンエッジ500のように利用できるサイコン。
2014年6月22日現在、25000円でサイクルオプス正規代理店キルシュベルクさんにて販売されてます。
インターバルパワーが確認できる
他のサイコンではおそらくどのメーカーの製品も「インターバルログデータ」をリアルタイムに把握できません。
Jouleではパワーと平均心拍数、平均速度といった一部のデータだけですが、インターバルデータをリアルタイムに把握することができ、30秒インターバルなど20本くらい実施するメニューでは非常に重宝しました。
エッジ500ではインターバルの履歴データをトレーニング中に把握できないので、その判断がつきにくいので。
Jouleが唯一エッジ500に優っていると思う点はこの部分ですね。
パワータップ以外のホイールでは使えない?
ただ、パワータップホイールを履いていなければサイコンが反応さえしてくれないという欠点が。。
※パワーメーターの信号を受ければ動作するのかもしれませんが、私はパワータップしか保有していないので未確認
※私がもっていたのは一世代前のJoule。現行モデルJouleGPS、Joule1.0とは違うのでご注意ください
レース時の決戦ホイールに履き替えたとき、ジュールではデータを取れませんでした。
Ant+対応のサイコンを別に持っていればいいのですが、私はポラールのサイコンしか保有していなかったのでレース時にはケイデンスセンサーとスピードセンサーを付け替え。
非常に面倒なことと、Jouleのログデータが保存できないという謎の現象に陥ったこともあり、エッジ500に買い替えました。
タイムトライアルにあまりオススメではないサイコン
ポラール系
パワーメーターで現在一番普及しているAnt+通信規格に非対応。
自社でペダル型パワーメーターを販売していますが、他のパワーメーターのデータを受け取れないので選択肢から外した方が良いでしょう。
もしポラールがAnt+に対応してくれていれば、上記写真のサイコンを使っていたので「Joule」も「エッジ500」も購入せずに済んでいました。。
スマホをサイコン化
画像の商品WahooFitnessなどのAnt+のデータを取得できるアダプターを装着すると、スマホがサイコンになります。
対応したスマホアプリは数百円程度なので、金額的には小さな投資で済むのがメリットです。
ただサイコンとして使うと電池の消耗が激しく、2,3時間のトレーニングで電池がなくなるリスクあり。
また、最近のスマホは画面の大型化により、タイムトライアル用のサイコンとして使うには空気抵抗など考えて得策ではないでしょう。
まとめ
タイムトライアルを目標にするならばパワーメーターはいつか手に入れる時が来ます。
そのときに利用できないサイコンでは買い替え費用がもったいないので、汎用的に使えるガーミンのエッジ500かエッジ510がおすすめ。
ペダリングモニターも非常に良いのですが、パワーメーターとセットで購入すると税抜16万円なので、まずはエッジ500シリーズで心拍トレーニングを行い、時期がきたらパワーメーターを購入する方法がよいでしょう。
エッジ500シリーズはオークションでそこそこの値がつくので、パイオニアパワーメーターに買い替えるときの負担も少なくてすむはずですし。
「sakurakasane」さん、ご参考まで!
こんにちは。私なんかの為にわざわざありがとうございます。素直に嬉しいです。
サイクルコンピュータ、悩んでいます。
まだ知識不足で、距離、速度は分かるのですが、ケイデンスが90?心拍数60%??と言う塩梅でして。
ガーミン500かいっそのことパワーメーターか⁉︎なんて考えたりします。
トレーニング方法や効果を勉強してサイクルコンピュータを選択します。もう少し勉強します。
本当にありがとうございました。
sakurakasaneさん、コメントありがとうございます!
確かに、心拍数を元にしたトレーニングなどは実際にやってみないと分からないことは多いですね。
パワーメーターでトレーニングする可能性があるなら、最初にパワトレ本を買ってみるのも良いかも。
最高のパワトレ本が「パワートレーニングバイブル」。
3000円とちょっと高いですが、いきなり高価なパワーメーターを手に入れるよりはリスクが低いと思います。
ちなみに、パワートレーニングは速い人も遅い人もその時点で最大の効果が出せるトレーニングメニューになります。
なので、どれだけ強くなってもトレーニングはちっとも楽になりません^^;